当店では、キノコを始め、天然食材を使うことが多いのですが、衛生的であることは、食材のベースとして最も重要なことだと考えています。
今回、おおち山くじらの産地見学会に参加し「おおち山くじら」のイノシシ肉には信頼できるトレーサビリティと、安定した処理システムを確認できたことは、大きな収穫でした。
また、イノシシ肉を扱うたびに、美郷町でお会いした元気なご婦人方の姿が目に浮かび、地域の天然食材を使う嬉しさを感じています。

イノシシ肉のワイルドな歯ごたえを活かすために、しっかりと詰まった固めのパテに仕上げています。
付け合わせは、カラスタケという野性味あるキノコと、ナツハゼの実のコンポートを。どちらも野生のものなので、常時ご用意できるわけではありませんが、野性味のあるキノコや、ナツハゼの実のような力強い果実味が、イノシシの味わいを引き立ててくれます。

イノシシのバラ肉を日本酒でじっくり煮込み、煮詰めた煮汁とマデラ酒でソースにしています。
イノシシ肉のぷるぷると柔らかい脂身の旨味、土牛蒡の食感、贅沢にカットされた天然舞茸の力強い香りを、マデラソースで上品にまとめています。別添えの黒胡椒のムースは、口当たりはまろやかながら、黒胡椒の香りが鼻に抜け、お食事のアクセントに。
ボルドーのヴィンテージワインとご一緒に、いかがでしょうか。

肩ロースは赤身にしっかりとした旨みがあったので、丁寧に火入れをしてローストにしました。
付け合わせのクロカワというキノコは、網焼きにすることで苦味が引き立ち、イノシシの野性味によく合います。魚介の旨味が凝縮したガルムバターソースも、イノシシの赤身にぴったりです。香り高いセップ（ポルチーニ）のソースを添えて、お召し上がりください。