「おおち山くじら」とは、島根県邑智郡美郷町(おおちぐん みさとちょう)で獲れる野生イノシシ肉のブランド名。春夏秋冬、一年を通じて美郷町の豊かな自然が生んだ100%野生のイノシシ肉を販売しています。
野生のお肉だからこそ、イノシシ肉は季節によって、また料理の仕方によって、様々な味わいを楽しむことができる食材です。自然が育んだ素材を活かした美味しいジビエ料理を召し上がっていただくために、私たちは、季節や個体に応じて最高の状態でイノシシ肉を提供できるよう努力を続けています。
「おおち山くじら」は「生体搬送(イノシシを生きたまま処理施設に搬送)」を推奨しており、特に夏場はそのほとんどが、生体搬送によって処理場に運び込まれます。夏の気温が高い時期でも、すべての処理作業を施設内で行うことで肉の鮮度が維持され、安定した品質を確保できます。
一頭毎に、捕獲日時、捕獲場所、ハンター名などを記録しています。
天然素材ゆえ、品質には個体差もありますが、一頭毎にデータを管理することで、個体差の理由や、味わいの傾向も予想することができます。
春から夏にかけて獲れる「夏イノシシ」。
新芽や筍などの山の恵みで育ったイノシシは、フレッシュでヘルシーな赤身が魅力です。
肉本来が持つ力強い旨味を楽しんでください。
秋から冬にかけて獲れる「冬イノシシ」。
イノシシは、他の野生動物に比べ、生息環境が肉質や味わいに強く現れる傾向があります。美郷町の厳しい寒さと豊かな山々によって育まれたイノシシは、ドングリなどの木の実をたくさん食べてまるまると太り、上質な脂身を蓄えています。
この脂身の味の濃さや香りは、他のどんなお肉にも例えられない美味しさです。
野生肉であるジビエは、個体による食味の差異や捕獲時の処理工程の精度がバラつくことによる品質の差が存在する食材です。個体による食味の違いは、ジビエを愉しむ要素のひとつでもありますが、処理のバラつきによる品質の上下は調理をするシェフにとっては「ジビエを避ける」理由のひとつでした。
美郷町のイノシシ肉は、食肉利用をはじめた当初から“箱わな”を使用し生きたまま食肉処理場(運営:おおち山くじら生産者組合)へイノシシを搬送することで、利活用できる個体数や割合を増やしながら品質も安定させることを目指してきました。
美郷町役場が旗振り役として「イノシシの利活用」を推進し、美郷町民も自ら箱わなを設置するなど、捕獲・活用への取組みは常に「町ぐるみ」。年々処理場へ搬送される頭数は増加しており、このことがイノシシ肉の生産量安定に繋がっています。
長い年月をかけて、おおち山くじら生産者組合と美郷町役場、美郷町民が一体となってイノシシの利活用に取り組んだ結果、昨今のジビエブームの中で多くのシェフに支持されるジビエ肉ブランド「おおち山くじら」が作られました。
「おおち山くじら」の“山くじら”とはイノシシの別称。
日本では、縄文時代以前からイノシシが食べられていたと考えられています。獣肉食が表向き禁忌とされた時代も、山間部などでは「山鯨(やまくじら)」と称して食べられており、古くから親しまれている食材です。一方で、江戸市中などの都市部では、イノシシの強い生命力にあやかろうと「薬喰い」と銘打って口にされてきました。
実はイノシシ肉は、日本人にとって新しいお肉ではなく、昔から口にされてきた身近なお肉なのです。